2019年12月26日より、スノーボードイベントサービス「snowwshiro」をスタートしました。
このサービスは、2018-2019シーズンで、snowwshiro中の人がスノーボードインストラクターとしてこもった経験から着想を得て、約9ヵ月間で開発したサービスになります。
なぜこのサービスを作ろうと思ったのかを語る前に、インストラクターとしてこもることで感じたことを話したいと思います。
インストラクターとして雪山にこもってわかったこと
私がこもったのは、新潟県南魚沼市にあるスキー場で、スノーボードスクールのインストラクターとして働きました。
それまでは普通に関東でサラリーマンとして働き、週末にスノーボードに行くだけでしたので、毎日スキー場で働くなんて夢のようでした。
良い経験も苦い経験もありましたが、私が今後歩む人生の道やりたいことを決める上でベースとなる、非常に豊かな経験をすることができました。
ここでは、「snowwshiro」を作るにあたってのきっかけとなった3つの経験を紹介したいと思います。
1.スノーボードは上手い人と滑るのが良い
一つ目が一番身に染みて感じたことなのですが、私はこれまで経験者と滑る機会が少なく、たまにスクールに入ることがあっても、その後は一人で滑ったり、レベルの変わらない仲間と滑ることが多かったのです。
こもることになって、先輩インストラクターと一緒に滑ると、その滑りから出るオーラというか、ダイナミズムが違うわけなんです。
技量の差もあるのですが、何よりも滑った経験値の違いからくる余裕からか、どんな場面でも自分の何歩も先の楽しみ方をしている。
この技ができるあの技ができるという違いではなく、同じゲレンデを滑っているはずなのに、自分のはるか違う次元で楽しめている雰囲気が出ているのです。
この感覚は、本の解説や上手い人の動画を見るだけでは、なかなか伝わらないことだと思います。ゲレンデの環境は時間毎に変わっていく中で、同じ時間に同じ場所を滑ることで共有できる感覚があります。本当に非常に貴重な経験でした。
上記の先輩インストラクターだけでなく、仲間には幅広い世代のインストラクターがいて、それぞれレベルの差はあっても、皆スノーボードに真剣に打ち込んでいる人達だったので、そんな仲間と滑ることは毎日が刺激的でした。
これを感じることができたのは、(後に語る収入面のことを差し引いても)このシーズンこもるという選択をしたことを非常に有意義なものにしてくれました。
2.「こんな滑りがしたい」と思っている人は多い
スクールで実際に生徒の方と話していて感じたことですが、「こんな滑りがしたいけど、どう練習したらいいかわからない」「周りに教えてくれる人がいないからスクールを調べて来た」という方が多くいたことです。
様々なきっかけでスノーボードを始めるわけですが、周りに上手な方がいればその人について行くことで上達していくのだろうと思います。
ただ私のように周りについていける人がいないというケースも多いようで、ネットで検索してスクールを探したりしているという話を聞きました。
ただスクールも様々で、ホームページ上でレッスン内容をしっかりと示しているところばかりではなく、電話で問い合わせては断られるということのようです。
3.スノーボードは稼げない
インストラクターに限りませんが、スノーボードに関係する仕事で稼げている人はどのくらいいるのでしょうか?
かなり広い範囲になるので全てはわかりませんが、私がシーズンこもって聞く中で、「稼げている」という人(いわゆる羽振りの良い人)と知り合う機会はありませんでした。
「稼ぐ」の基準も人それぞれなので説明しずらいですが、少なくとも「割にあう」という稼ぎ方が出来ないものかと、真剣に考えました。
というのも、はっきり言ってシーズンこもっての収入は散々たるもので、ボランティア精神がないと到底納得がいくものではなかったからです。
週休1.5日でフルタイムで働いて月10万円くらいというのは、「割に合う」労働には程遠いと感じました。
(注1:ただ、ここでその内容を暴露したり、労働法上の正当性など法律的なことを言うつもりはありません。元々契約上も不透明な要素が多く、ある程度覚悟をして従事した結果だからです。想像を超えてはいましたが・・・)
そんな条件でしか人を雇うことが出来ないくらいのビジネスモデルでスクールが運営されていること自体が、スノーボードへの期待や未来がないことを表しているのではないのかと感じたのです。「もうちょっとましにならないのかなぁ〜」と、(勝手に)すごく悩んでいました。
(注2:全てのスノーボードスクールが同じではありません。実際、近隣のスクールでしっかりとした条件で運営されているところも知っています)
スノーボーダー同士がもっと良い形で繋がりあえるようにしたい!
そんな3つの経験を踏まえて私が考えたのは、「もっとスノーボーダー同士がいい形で繋がる方法はないものか」ということです。
スノーボードが上手な人は沢山いるわけですが、どうしても仲間内の繋がりが強いようでなかなか他の繋がりを作りづらいように見えます。
一方で、上手な人と滑りたい・教わりたいという人はいるけど、知り合う手段がなくて実現出来ず、スクールに頼らざるを得ないことが多いようです。
スクールを否定するわけではないですが、もっと直接スノーボーダー同士が繋がりやすくできれば、より多くの良い体験が生まれるのではないかと考えたのです。
そこで一つ考えたのが「参加料」。SNSを通じて無料で繋がって一緒に滑ったりすることはあるわけですし、無料の掲示板でもいいのかもしれません。ただ私は、より価値のある経験に繋げる為には、「参加料」を各々が設定して参加者が支払う仕組みが必要だと考えました。
気軽に大人数で集まって一緒に滑るイベントであれば低い参加料で良いと思いますし、それでも普段滑ることがない自分より上手な人と滑る機会はそれだけの価値があると思います。
一方、具体的なレッスンを含めた内容であれば、スクールと同様にそれ相応の参加料を得られる仕組みにしたい。そしてその参加料は、極力イベントを企画する本人に還元される形にしたい。
また参加料を支払うということは、参加する側にとっても、参加が保障されるという意味での安心に繋がると考えています。そしてそういったイベントに参加料を支払うことの価値が一般的に理解されるようになれば、ホストも増えてより良い多くのイベントが開催されるようになり、スノーボード全体の価値が高まるのではないかと考えました。
こうして検討した結果、
- イベントを企画する人(=ホスト)は、企画した内容をサイト上に自ら掲載して募集をすることができる
- イベントに参加する人(=ユーザー)は、参加したいイベントがあればすぐに予約することができる
といったサービスを作りたいと考え、一からプログラミングを学び、「snowwshiro」を作るに至りました。
(プログラミングについては、また別記事でご紹介したいと思います。)
snowwshiroはまだまだ発展途上です。ホストも今は少ない状況ですが、そのシーズンで繋がりを持った信頼できるホストなので、開催するイベントはしっかりと価値あるイベントとなる自身があります。
そのホストと共に、snowwshiroとしての運営の経験値も得ながら、より良い体験を多くのスノーボーダーに届けることができるサービスにしていきたいと考えています。
今後ともよろしくお願いいたします。
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